はじめに|「AI時代の大学選び」何を基準にすればいい?
「子どもがAIに興味を持っているけれど、どの大学に進めばいいの?」「データサイエンス学部って最近よく聞くけれど、どこの大学にあるの?」「文系でもAIを学べる大学はあるの?」
そんな疑問を持つ受験生や保護者の方は、年々増えています。
私は都内の大学で職員として働いていますが、ここ数年で「AI・データサイエンス系学部の新設ラッシュ」を肌で感じています。2017年に滋賀大学が日本初の「データサイエンス学部」を設置して以降、全国でAI・データサイエンス関連の学部・学科は急速に拡大しており、現在では多くの大学が情報・AI教育を強化しています。
実際に大学業界にいる立場から見ると、近年は単なる「情報学部」の増設だけでなく、文理融合型のAI教育や、全学共通のデータサイエンス教育へと大学の方向性が大きく変化しています。
この記事では、2026年時点の公式情報をもとに、AI・データサイエンスを学べる主要大学の特徴と、大学選びで見るべきポイントを整理しました。
※ 本記事では、「データサイエンス」「AI」「情報データ科学」などを冠した新設学部や、数理・データサイエンス・AI教育強化拠点校、文理融合型教育で注目度の高い大学を中心に掲載しています。
※ 本記事の情報は2026年4月時点のものです。最新の入試情報・カリキュラムは各大学の公式サイトで必ず確認してください。
当ブログは現役大学職員の私が、AIツール(Gemini, ChatGPTなど)を活用し、事務業務改善をするためのAI活用ブログです。私自身、文系大学卒の非エンジニアの事務職員なので、専門用語は避けて読者の皆さんが分かりやすく、すぐ使える情報をお届けできるよう心がけています。
プロフィールの詳細は、以下をご覧ください。
この記事でわかること
✅ AI・データサイエンス学部の歴史と全国的な広がり
✅ 文部科学省「MDASH」認定制度の見方
✅ AI系・情報系・データサイエンス系学部の違い
✅ 国公立・私立別、AI・データサイエンスを学べる主要15校の特徴
✅ 大学選びで見るべきポイント
✅ 文系でもAIを学べる大学の探し方
✅ AI・データサイエンス系学部の就職先・進路
AI・データサイエンス学部の歴史|2017年が日本の転換点
日本のAI・データサイエンス学部の歴史は、それほど長くありません。
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 2017年4月 | 滋賀大学が日本初の「データサイエンス学部」を設置 |
| 2018年4月 | 横浜市立大学がデータサイエンス学部を設置 |
| 2019年4月 | 武蔵野大学がデータサイエンス学部を設置(私立大初) |
| 2019年 | 政府が「AI戦略2019」を策定 |
| 2021年〜 | 全国でデータサイエンス・AI関連学部の新設が加速 |
| 2023年4月 | 一橋大学・京都女子大学などで新学部設置 |
| 2025年4月 | 秋田大学「情報データ科学部」など地方国立大でも設置進む |
| 2026年4月 | 東京理科大学「創域情報学部」など複数大学で新学部開設 |
統計学者の竹村彰通氏(現・滋賀大学長)が中心となって2017年に滋賀大学に「データサイエンス学部」が設置されたのが、日本における大きな転換点でした。
それまでにも情報学部や経営情報学部などは存在していましたが、「データサイエンス学部」を冠した独立学部としては日本初でした。
その後、政府の「AI戦略2019」やDX推進政策を背景に、大学のAI・データサイエンス教育が急速に拡大していきます。現在では、国公立・私立を問わず、多くの大学がAI教育を強化しています。
まず知っておきたい|「AI系学部」と「情報学部」の違い
最近は、AIを学べる「情報学部」「データサイエンス学部」「AI系専攻」などが増えており、違いがわかりにくくなっています。
| 学部タイプ | 主な特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 情報学部 | プログラミング・システム開発・コンピュータ科学中心 | エンジニア志望 |
| データサイエンス学部 | 統計・データ分析・AI活用中心 | 分析・ビジネス活用に興味がある人 |
| AI系学部・専攻 | 機械学習・深層学習・ロボティクスなどAI技術重視 | AI研究・開発に興味がある人 |
| ソーシャルDS系 | 経済・経営・社会科学とデータ活用を融合 | 文系寄りでAIを学びたい人 |
実際には境界が重なる部分も多いですが、「将来どんな仕事をしたいか」を考えると、学部選びがしやすくなります。
文部科学省「MDASH」認定制度を知っておこう
AI・データサイエンスを学べる大学を比較する上で、知っておきたい制度が、文部科学省の「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(MDASH)」です。
MDASHとは?
文部科学省が実施する、大学・高専の数理・データサイエンス・AI教育プログラムを認定する制度です。政府のAI戦略を背景に、令和3年度(2021年度)から本格的に運用されています。
| レベル | 対象 | 内容 |
|---|---|---|
| リテラシーレベル | 全学生 | AI・データサイエンスの基礎素養を学ぶ |
| 応用基礎レベル | 専門的に学ぶ学生 | 専門分野で活用できる実践力を身につける |
| プラス選定 | 認定プログラムのうち特に優れたもの | 先導性・独自性・波及可能性のある教育プログラムとして選定 |
なぜMDASHが重要なのか
MDASH認定を受けているということは、一定の教育水準を満たしたAI・データサイエンス教育プログラムとして、文部科学省に認定されているということです。
もちろん「認定校=すべて最高レベル」というわけではありませんが、大学選びの客観的な指標として非常に参考になります。
📌 MDASH認定校一覧:文部科学省公式サイト
国公立大学|AI・データサイエンスを学べる主要校
1. 滋賀大学|データサイエンス学部(日本初)
- 設置年:2017年4月
- 学科:データサイエンス学科
- 特徴:日本初のデータサイエンス学部、「プラス選定」を受けた教育プログラムを持つ大学
- 強み:産官学連携、少人数教育、文理融合型カリキュラム
- キャンパス:滋賀県彦根市
- 公式サイト:https://www.ds.shiga-u.ac.jp/
2. 横浜市立大学|データサイエンス学部
- 設置年:2018年4月
- 特徴:医学・医療ビッグデータ分野との連携に強み
- 強み:都市型大学ならではの産学連携
- キャンパス:神奈川県横浜市
- 公式サイト:https://www.yokohama-cu.ac.jp/academics/ds/index.html
3. 北海道大学|数理・データサイエンス教育研究センター
- 特徴:数理・データサイエンス・AI教育強化拠点コンソーシアムの拠点校
- 学び方:全学教育+工学部・情報系学科で専門教育
- 強み:地域DX人材育成を推進
- 公式サイト:https://www.mdsc.hokudai.ac.jp/
4. 東京大学|数理・情報教育研究センター
- 特徴:全学的なAI・データサイエンス教育
- 強み:国内有数の研究環境と、数理・情報分野の全学的な教育体制
- 学び方:教養学部→専門学部進学でAI・情報分野へ
- 公式サイト:https://www.mi.u-tokyo.ac.jp/
参考:京都大学・大阪大学・九州大学などの拠点校
京都大学・大阪大学・九州大学も、数理・データサイエンス・AI教育強化拠点コンソーシアムの拠点校として、高度な情報・数理・データサイエンス教育を展開しています。ただし、本記事の「15選」には含めず、参考校として紹介します。
※ 各大学では情報学研究科・工学部・全学教育プログラムなどを通じて、AI・データサイエンス教育を展開しています。詳細は各大学公式サイトで確認してください。
5. 東京都立大学|数理・データサイエンス副専攻コース
- 特徴:主専攻に加えてデータサイエンスを学べる副専攻制度
- 学び方:文系・理系を問わず、所属学科で学ぶ主専攻に加えて履修可能
- 強み:数理基礎から機械学習、テキスト分析、画像・音声処理、PBLまで体系的に学べる
- 公式サイト:https://www.tmu.ac.jp/education/curriculum/vice_specialty/datascience.html
6. 千葉大学|情報・データサイエンス学部
- 設置年:2024年4月
- 特徴:情報科学とデータサイエンスを統合
- 強み:医療・地域・行政データなど、他分野との連携に発展しやすい教育環境
- 公式サイト:https://www.chiba-u.ac.jp/organisation/faculty/informatics.html
7. 一橋大学|ソーシャル・データサイエンス学部
- 設置年:2023年4月
- 特徴:経済学・経営学とデータサイエンスを融合
- 向いている人:文系寄りでAI・DSを学びたい人
- 公式サイト:https://www.sds.hit-u.ac.jp/
8. 秋田大学|情報データ科学部
- 設置年:2025年4月
- 特徴:地域DX人材育成に注力
- 強み:地方創生とデータ活用教育
- 公式サイト:https://www.informatics.akita-u.ac.jp/
私立大学|AI・データサイエンスを学べる主要校
9. 武蔵野大学|データサイエンス学部
- 設置年:2019年4月
- 特徴:私立大学初のデータサイエンス学部
- 強み:ビジネス実践を重視
- 公式サイト:https://www.musashino-u.ac.jp/academics/faculty/data_science/
10. 立正大学|データサイエンス学部
- 設置年:2021年4月
- 特徴:実務家教員による授業が充実
- 強み:就職実践型カリキュラム
- 公式サイト:https://www.ris.ac.jp/ds/
11. 東京理科大学|創域情報学部 情報理工学科
- 設置年:2026年4月
- 特徴:情報科学・データ科学・システム工学を横断
- 強み:PBL型教育、AI・データ科学・社会システム融合
- 公式サイト:https://www.tus.ac.jp/academics/faculty/informationsciencetechnology/
12. 早稲田大学|データ科学教育プログラム
- 特徴:全学横断型のデータサイエンス教育
- 強み:文系・理系問わず受講可能
- ポイント:全学生対象のData Science認定制度があり、オンデマンド科目や学習サポートも充実
- 公式サイト:https://www.waseda.jp/inst/cds/education/assessment-2
13. 京都女子大学|データサイエンス学部
- 設置年:2023年4月
- 特徴:女子大学初のデータサイエンス学部
- 強み:数学基礎から学べるカリキュラム
- 公式サイト:https://www.kyoto-wu.ac.jp/gakubu/faculty/datascience/data/index.html
14. 東京工科大学|コンピュータサイエンス学部 人工知能専攻
- 特徴:AI・機械学習・ロボティクスを体系的に学べる
- 強み:実践型教育・演習重視
- 公式サイト:https://www.teu.ac.jp/gakubu/cs/index.html
15. 文京学院大学|ヒューマン・データサイエンス学部
- 設置年:2026年4月
- 特徴:人文・社会科学とデータサイエンスを融合
- 向いている人:文系寄りでAI・DSを学びたい人
- 公式サイト:https://www.bgu.ac.jp/ds/
AI・データサイエンス学部を選ぶ5つのポイント
ポイント1:MDASH認定の有無
もっとも客観的な比較材料のひとつがMDASH認定です。特に「プラス選定」を受けた教育プログラムは、特色ある教育実践として注目されています。
ポイント2:教員数と学生数のバランス
AI・データサイエンス教育では演習や実習が重要です。教員1人あたりの学生数が少ない大学ほど、手厚い指導を受けやすい傾向があります。
ポイント3:数学サポートの充実度
文系出身者の場合、「高校数学の復習や、線形代数・微積分・統計の基礎から学べるか」「補習があるか」は非常に重要です。Python未経験者向け授業がある大学も増えています。
ポイント4:産官学連携・インターン
実際の企業データに触れる経験は、就職にも直結します。企業連携・自治体連携・PBLの充実度は要チェックです。
ポイント5:学部名だけで判断しない
最近は「AI」を冠した学部も増えていますが、実際のカリキュラムや専任教員数を見ることが大切です。学部名だけでは教育内容はわかりません。
文系でもAIを学べる大学はある?
結論から言うと、現在は「文系でもAIを学べる時代」です。
文系学生向けサポートが増えている
近年のデータサイエンス系学部では、数学補習・Python初学者向け授業・少人数演習など、文系出身者向けサポートが増えています。
全学共通プログラムを利用する方法もある
早稲田大学・上智大学・明治大学・中央大学などでは、所属学部を問わずデータサイエンス教育を受講できます。
文系寄りで学びたい人に人気の大学
- 一橋大学 ソーシャル・データサイエンス学部
- 東京都立大学 数理・データサイエンス副専攻コース
- 文京学院大学 ヒューマン・データサイエンス学部
- 武蔵大学 グローバル・データサイエンスコース
- 滋賀大学 データサイエンス学部・全学的なデータサイエンス教育
「文系=AIとは無縁」という時代ではなくなりつつあります。
AI・データサイエンス系学部の就職先は?
AI・データサイエンス系学部の卒業生は、幅広い業界で需要があります。
- IT企業・SIer
- コンサルティング会社
- メーカーDX部門
- 金融・保険業界
- データアナリスト
- AIエンジニア
- 自治体・公務員DX部門
- 大学院進学
特に近年は「DX推進人材」の需要が高く、IT企業以外でもデータ分析人材を求める企業が増えています。
まとめ|「AI教育の質」は学部名だけではわからない
AI・データサイエンス教育は、2017年の滋賀大学をきっかけに全国へ急速に広がりました。2026年以降も、新学部設置や全学教育の拡大は続くと考えられます。
大学選びでは、次のポイントを意識すると失敗しにくくなります。
✅ MDASH認定の有無
✅ 教員数と学生数のバランス
✅ 数学・Python初心者向けサポート
✅ 産官学連携・インターン
✅ 自分の興味とカリキュラムが合っているか
多くの大学ではWeb上やSNSで多くの情報を発信していますが、一大学職員としては、オープンキャンパスに参加することをお勧めします。教員との距離感や施設環境、学生の雰囲気など、画面上だけではわからない情報を得られます。気になる大学があれば、ぜひ現地にも足を運んでみてください。
※ 本記事の情報は2026年4月時点のものです。最新情報は各大学公式サイトおよび文部科学省公式サイトでご確認ください。
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