この記事でわかること
- ✅ GeminiとGemini Notebookで同じCSVを分析した結果
- ✅ 件数・平均値・自由記述・重要回答の抽出精度
- ✅ 単発のアンケート集計と継続的な資料分析での使い分け
- ✅ 大学職員・事務職の方がCSVをAIで分析するときの注意点
はじめに|CSV分析にはGeminiとGemini Notebookのどちらを使う?
アンケート結果のデータを他部署や業者からCSVなどで受け取ったものの、件数の集計や自由記述の整理に時間がかかってしまい、アンケートの結果をすぐに次の施策に繋げられていないという悩みをよく耳にします。
GoogleのAIには、通常のGeminiと、資料を読み込んで内容を確認できるGemini Notebookがあり、どちらもファイルをもとに質問できるため、アンケート分析ではどちらを選べばよいのか分かりにくいところです。
そこで、架空のオープンキャンパスアンケート30件を用意し、同じCSVと同じ質問を使って両方の結果を比較しました。今回の検証には実在する学生・保護者・教職員の情報は使用していません。
結論からお伝えすると、今回の条件では、Gemini・Gemini Notebookどちらも主要な集計値と重要回答を正確に抽出できました。そのため、1回限りの集計ならGemini、同じ資料を残して質問を重ねるならGemini Notebookという使い分けがわかりやすいのではないかと感じました。
※本記事では、JIMU×AIの既存記事に合わせて「Gemini Notebook」と表記します。Google公式ヘルプや一部の画面では「NotebookLM」と表示される場合があります。
当ブログは現役大学職員の私が、AIツール(Gemini, ChatGPTなど)を活用し、事務業務改善をするためのAI活用ブログです。私自身、文系大学卒の非エンジニアの事務職員なので、専門用語は避けて読者の皆さんが分かりやすく、すぐ使える情報をお届けできるよう心がけています。
プロフィールの詳細は、以下をご覧ください。
GeminiとGemini NotebookのCSV分析結果を先に比較
| 比較項目 | Gemini | Gemini Notebook |
|---|---|---|
| 回答総数 | 30件で一致 | 30件で一致 |
| 回答者区分 | すべて一致 | すべて一致 |
| 平均満足度 | 4.17で一致 | 4.17で一致 |
| 満足度別件数 | 3・4・5の件数が一致 | 3・4・5の件数が一致 |
| 重要回答 | A017・A030・A025を抽出 | A017・A030・A025を抽出 |
| 追加抽出 | 学食混雑のA005・A018も抽出 | 安全側にA018を1件追加 |
| 自由記述 | 30件を重複なく7分類 | 30件を7分類 |
| 回答時間 | 約25秒 | 約20秒 |
| 向いている使い方 | 単発の集計・その場での質問 | 資料を残した継続分析・根拠確認 |
今回のCSV分析の検証条件
今回は、大学のオープンキャンパス後に実施するアンケートを想定しました。CSVには30件の回答があり、回答ID、回答者区分、参加プログラム、満足度、自由記述など8項目を入れています。

元データの正解値
- 回答数:30件
- 回答者区分:高校3年生12件、高校2年生7件、保護者7件、高校1年生4件
- 総合満足度の平均:4.17
- 満足度3:5件、満足度4:15件、満足度5:10件
- 重要な要確認回答:A017・A030(バリアフリー)、A025(食物アレルギー表示)
AIの回答が自然に見えるかではなく、元のCSVから計算した正解値と一致しているかを確認しました。自由記述では、分類漏れや重複がないか、重要な少数意見を拾えているかも照合しています。
GeminiとGemini Notebookに入力した質問
比較条件をそろえるため、両方に同じ内容を依頼しました。
このCSVだけを根拠に、次の内容を分析してください。
1. 回答総数
2. 回答者区分別の件数
3. 総合満足度の平均値(小数第2位まで)
4. 総合満足度3・4・5の件数
5. 自由記述の主な内容を5~8種類に分類し、各分類の件数・回答ID・代表的な意見を整理
6. 大学側が早急に確認すべき回答を抽出し、回答IDと理由を記載
特に、バリアフリー、食物アレルギー、安全面に関する内容を見落とさないでください。CSVにない情報は推測せず、判断が難しい場合はその旨を明記してください。「CSVだけを根拠にする」「回答IDを付ける」「判断できないことは推測しない」と指定したのは、分析結果を元データへ戻って確認しやすくするためです。
Gemini Notebookで分析した結果
Gemini Notebookでは、回答数30件、回答者区分別の件数、平均満足度4.17、満足度別件数がすべて正解値と一致しました。自由記述も、プログラムへの好意的意見、案内表示、待ち時間、学食、バリアフリー、事前案内、ツアー運営の7種類に整理されました。
重要回答については、バリアフリーに関するA017・A030と、食物アレルギー表示に関するA025をすべて抽出できました。さらに、学食の混雑で次のプログラムに遅れそうになったA018も安全面の回答として追加しています。

正解として用意した3件はすべて見つけ、見落としはありませんでした。一方で、安全側の判断としてA018が追加されたため、抽出結果は担当者が元データと照合する必要があります。
重要回答3件をすべて抽出できたため再現率は100%、4件のうち正解として用意したものが3件だったため適合率は75%です。ただし、A018を確認対象に含めること自体は不自然ではありません。実務では数字だけで良し悪しを決めず、追加された理由を読んで判断する方が適切です。
分析結果が表示されるまでの時間は約20秒でした。30件程度のアンケートの一次分析としては、集計と自由記述の整理を短時間で行える結果でした。
通常のGeminiで分析した結果
通常のGeminiでも、回答数30件、回答者区分別の件数、平均満足度4.17、満足度別件数がすべて正解値と一致しました。自由記述は30件を重複なく7種類に分類し、各回答IDも整理できています。
重要回答では、A017・A030・A025を漏れなく抽出しました。加えて、学食の混雑に触れたA005・A018も安全面の確認候補として挙げています。Gemini Notebookと同様に、安全側へ広めに拾う傾向が見られました。

分析結果が表示されるまでの時間は約25秒でしたが、今回の検証だけでGemini Notebookの方が速いと断定せず、どちらも短時間で一次分析を終えられたと考えるのが妥当です。
精度はほぼ同じ|違いはCSVを分析した後の使い方
今回の30件のCSVでは、どちらも主要な数値を正確に集計し、重要回答3件をすべて抽出できました。そのため、「Gemini NotebookでなければCSVを分析できない」という結果ではありません。
Googleの公式ヘルプでも、Geminiには文書やスプレッドシートなどをアップロードし、内容について質問できる機能が案内されています。単発のCSVを開き、その場で集計や整理を依頼する用途なら、通常のGeminiで十分対応できます。詳しい利用条件はGemini公式ヘルプをご確認ください。
一方、Gemini Notebookは、アップロードした資料をノートブックにまとめ、資料を根拠として質問を重ねたり、回答中の引用元から該当箇所へ戻ったりしやすい点が特徴です。複数の資料を残しながら継続的に確認したい場合は、Gemini Notebookの方が管理しやすくなります。詳しい機能はNotebookLM公式ヘルプで確認できます。
Geminiが向いているケース
- 今回だけ使うCSVをすぐに集計したい
- 集計後、そのまま報告文や改善案の下書きも相談したい
- 普段使っているGeminiの画面で作業を完結したい
Gemini Notebookが向いているケース
- 同じCSVへ何度も質問したい
- アンケート結果と実施要項、過年度資料などを一緒に確認したい
- 回答の根拠を引用元へ戻って確かめたい
- 資料をノートブック単位で残し、後から分析を続けたい
大学職員・事務職の実務ではどう使い分ける?
オープンキャンパスや研修後のアンケートを一度だけ集計し、会議などに出す報告文まで短時間で作りたい場合は、GeminiへCSVを追加して分析する方法が手軽です。数値の集計、自由記述の分類、改善候補の整理を一つの会話で進められます。
一方、毎年実施する学生調査や、複数回の説明会アンケートを継続して確認する場合は、Gemini Notebookが向いています。CSVだけでなく、実施要項、前年度の報告書、改善計画なども同じノートブックにまとめると、「前回から何が変わったか」「この意見の根拠はどの回答か」と質問しやすくなります。
ただし、どちらを使っても、AIの回答をそのまま正式な集計結果や会議資料へ転記するのは避けた方が安全です。件数や平均値はExcelなどでも再計算し、重要な意見は回答IDから元データへ戻って確認します。
CSVをAIで分析するときの注意点
実際の個人情報・機密情報をそのまま使わない
大学や職場のアンケートには、氏名、学籍番号、メールアドレス、相談内容、健康状態、未公開の学内情報などが含まれる場合があります。AIへ追加する前に、個人を特定できる情報を削除または仮の内容へ置き換え、所属先の生成AI利用ルールを確認してください。
今回の検証では、最初から架空の回答だけでCSVを作成しました。実務で試す場合も、まずはサンプルデータで、操作と出力の確認を行うと安全です。
件数・平均値・回答IDを元データと照合する
AIは読みやすい表を作れても、集計漏れや分類の重複が起こる可能性があります。回答総数と分類後の合計が一致しているか、平均値が正しいか、代表意見が実際の回答に存在するかを確認します。
少数でも重要な意見は人が読み直す
バリアフリー、食物アレルギー、安全性、差別やハラスメントなどに関する回答は、件数が少なくても見落とせません。AIに抽出を依頼したうえで、担当者が自由記述全体を確認し、対応の要否を判断する必要があります。
まとめ|単発ならGemini、継続分析ならGemini Notebookが使いやすい
同じ匿名化CSVを分析した結果、GeminiとGemini Notebookはいずれも、回答数30件、区分別件数、平均満足度4.17、満足度別件数を正確に集計しました。バリアフリーと食物アレルギーに関する重要回答3件も、両方で漏れなく抽出できています。
今回の検証では、精度に大きな差はありませんでした。1回限りのCSV集計や報告文の作成まで進めたい場合はGemini、同じ資料を残して質問を重ね、引用元を確認しながら継続的に分析したい場合はGemini Notebookという使い分けが実務的です。
どちらも集計作業の負担を減らす補助として役立ちますが、正式な数値や重要回答の判断は人が確認します。まずは個人情報を含まない少量のサンプルCSVで試し、自分の業務に合う進め方を確認してみてください。
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Geminiを事務作業で使うためのプロンプト例を探している方には、こちらの記事が参考になります。

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