担当者不在のExcelマクロはAIで復活!VBA素人が挑んだ解読と修正の全プロセス

目次

【VBA知識不要】AIでExcelマクロを解決!解読・修正の3ステップを解説

「前任者が作ったExcelマクロ、仕様が不明で誰も修正できない…」
あなたの職場にも、そんなブラックボックス化したExcelファイルが眠っていませんか?

私の部署では、銀行の入金データを大学の基幹システムに取り込むためのExcelマクロがブラックボックス化していました。入試制度の変更で改修が必要なのにExcelマクロの知識がある職員は一人もおらず、コードがどこにあるのかすら分からない…。このままでは業務に支障が出てしまう危機的な状況でした。

しかし、結論から言うと、Excelマクロの知識が全くない状態から、AIを活用して非エンジニアの文系大学職員がこのマクロの解読と修正に成功しました。

この記事では私自身が実践した、AIを活用しながらブラックボックス化したExcelマクロを解き明かし、修正するまでの具体的なプロセスをご紹介します。専門的な知識がなくても業務改善を推進できる方法になるのでぜひ参考にしてください!

Excelマクロが「ブラックボックス化」する問題とは?

多くの職場で課題となっているのが作成者以外には仕組みが理解できず、誰も修正・更新できない状態のExcelマクロです。

  • 作成者が退職・異動してしまった
  • 仕様書や引き継ぎメモが残っていない
  • コードが複雑で解読することができない

このようなマクロは「ブラックボックス」となり、業務プロセスの変更やシステムのアップデートに対応できず、業務停滞の大きなリスクとなります。

AIでExcelマクロを解読・修正する3つのステップ

専門知識がなくても、AIを活用しながら以下の3ステップで進めれば、マクロの修正は十分に可能です。

補足
本記事では、AIとの対話に焦点を当てて解説を進めます。VBE(Visual Basic Editor)の起動方法やマクロ実行ボタンの設置といったExcelの基本操作については、以下の記事で詳しく解説しています。

(関連記事:VBA初心者のための操作方法〜AIが作ったVBAコードをExcelで動かす基本設定〜

ステップ1:現状把握|マクロの全体像をAIに解説してもらう

まずは、ブラックボックスの扉を開けるところから始めます。どこに何が書かれているのかをAIに教えてもらい、全体像を把握しましょう。

(1) VBAコードの場所を特定する

そもそもコードがどこにあるか分からない場合は、素直にAIに尋ねてみましょう。

【質問例】

ExcelマクロのVBAコードはどこにありますか?

AIはVBE(Visual Basic Editor)の開き方(Alt + F11キー)などを教えてくれます。

(2) コード全体の役割と構造を解説してもらう

VBEを開き、表示されたコードをすべてコピーしてAIに貼り付け、「このコードの役割を教えて」と依頼します。

【質問例】

(VBEに表示されたコード全文を貼り付け) 
このコードについて、全体の役割と各部分が何をしているのかを解説してください。

すると、AIが「このコードは、指定フォルダ内の入金データ(.dat)を読み込み、基幹システム用のCSVファイルに変換するものです」といった概要と共に、コードの各ブロックがどのような処理を行っているかを丁寧に解説してくれます。

ステップ2:対話形式で修正|具体的な指示でコードを生成

マクロの全体像が見えたら、次はいよいよ修正作業です。分からない部分を一つずつ質問し、具体的な修正内容を指示してAIにコードを書いてもらいます。

(1) 部分的なコードの意味を確認する

コードを読んでいて意味が分からない箇所があれば、その部分をコピーしてAIに質問します。

【質問例】

VBAコードにある「For i = 2 To lastRow」とは何ですか?

AIは「Excelシートの2行目から最終行まで同じ処理を繰り返す命令文です」のように、専門用語も分かりやすく解説してくれます。

(2) 修正内容を指示してコードを生成させる

具体的に変更したい内容を、自然な言葉でAIに伝えます。

【質問例】

現在、CSVのC列は空欄になっています。ここに「〇〇」という固定の文字列を追加したいです。
コードを修正してください。

この指示だけで、AIは修正案を反映した新しいVBAコード全体を生成してくれます。

ステップ3:テストとデバッグ|エラーもAIに相談

AIが生成したコードを元のマクロに上書きし、実際に動かしてみましょう。エラーが出ても慌てる必要はありません。

エラーが出た場合は、その内容をAIに報告する

エラーメッセージをそのままコピーしてAIに伝えるだけで、原因の特定と修正コードの提案をしてくれます。

【質問例】

エラーが出ました。「インデックスが有効範囲にありません」と表示されます。

AIは「ありがとうございます。〇〇行目に誤りがありました。正しくはこちらです」といった形で、デバッグ作業までサポートしてくれます。

AI活用でブラックボックスを解消した成果

この一連のプロセスを通じて、私たちは以下の大きな成果を得ることができました。

  • 変化への迅速な対応力: 毎年の制度変更やシステムのアップデートに、部署内で迅速に対応できる体制が整いました。
  • 外部依存からの脱却: 従来は外部業者や情報システム課に依頼していた改修業務を内製化。これにより、時間と費用の両面で大幅なコスト削減が期待できます。
  • 業務の主体性の向上: 「自分たちには分からない」と諦めていた業務を、主体的に改善していくマインドが部署内に生まれました。

まとめ

今回は、専門知識ゼロの状態からAIを活用し、ブラックボックス化したExcelマクロの解読と修正に成功したプロセスをご紹介しました。

  1. ステップ1:現状把握 – AIにコードの全体像を解説してもらう
  2. ステップ2:対話形式で修正 – AIに質問しながら修正内容を指示する
  3. ステップ3:テストとデバッグ – エラーが出たらAIに報告して解決する

「自分は専門家じゃないから…」と諦める必要はもうありません。AIという優秀なアシスタントがいれば、誰でも業務改善の担い手になることができます。

あなたの職場に眠るブラックボックスを、AIと共に解き明かしてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

20代後半・二児の父。文系の4年生大学を卒業後、民間企業を経て、都内の総合大学で事務職員として勤務中。AIを使用した業務効率化や実生活での活用について発信。事務職員(非エンジニア)目線で誰にでも再現できる活用法の発信を心がけていきます。

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