AI時代に「大学事務職」は不要になるか?大学職員が生き残るために。やめる仕事と伸ばすべきスキル

目次

はじめに

「AIが発達したら、事務職の仕事なんてなくなるんじゃないか?」

日々ものすごいスピードで進化する生成AIのニュースを見るたびに、そんな不安が頭をよぎることはありませんか? 特に専門職ではなく、いわゆる「事務職員」として大学に勤務している私たちにとって、これは死活問題です。

私の個人的な結論としては、大学事務職員という職業は無くなることはないと思います。しかし、母数は確実に減っていくでしょう。大学職員にありがちな、何も考えない「前例踏襲の繰り返し」を続けていれば、将来居場所がなくなる可能性は非常に高いです。

今回は、AI時代に大学職員が生き残るために「今すぐやめるべき仕事」と、逆に「AIには奪えない仕事」について、現場目線で解説をしていきます。

当ブログは現役大学職員の私が、AIツール(Gemini, ChatGPTなど)を活用し、大学事務の業務改善をするためのAI活用ブログです。私自身、文系大学卒の非エンジニアの事務職員なので、専門用語は避けて読者の皆さんが分かりやすく、すぐ使える情報をお届けできるよう心がけています。
プロフィールの詳細は、以下をご覧ください。

未来予測:AIに代替される業務は多い

厳しい現実ですが、現在私たちが時間をかけている業務の多くは、AIの方が得意です。 「奪われる」というよりも、「AIに任せないと仕事が回らなくなる」時代がすぐそこまで来ています。

すでにAIに単純作業をどんどん任せている人も一定数いる一方で、紙でメモを取り、手入力でwordやExcelに入力している人が多いのも事実です。まだ、AI黎明期ではありますが、使う人と使わない人の差は開いていくばかりです。

(私の主観も含まれていますが、)手作業を重視している方は、AIに処理させるより自分でやる方が早い。自分でやった方が間違えがない。と思っている方が多い印象です。業務歴が長くなればなるほど、これまでの習慣がついているためそのように考えるのも理解はできます。

ちょっとした会話のメモや数件のデータであれば、手作業の方が早く、私自身も手作業で処理する場面はあります。
しかし、会議や長時間にわたる打ち合わせ、数百〜数千件のデータを処理する場合はどうでしょうか。

1回限りのことであれば、手間は同じくらいかもしれませんが、会議も打ち合わせもデータ処理も繰り返し行われます。データが多くなれば手作業ではミスを起こしやすく、そこに多くの時間を取られてしまいます。そんな作業をAIに置き換えることで時間の削減に繋がり、あなたが本来注力しなければいけないことに取り組むことができるのです。

AIに代替される業務の具体例

1. 単純なデータ入力・チェック作業

入試データの照合、学籍情報の更新、経費精算のチェックなど。 「間違いがないように」と神経をすり減らしているこれらの作業はAIの得意分野です。 人間がダブルチェックをするよりも、AIに処理させた方が正確で圧倒的に早いです。同じ作業を繰り返す際は、毎回AIに質問するのではなく、以下のような方法がおすすめです。


①プロンプト(指示)を事前に登録しておく
→Google Geminiの「Gem」、Chat GPTの「GPT」、Microsoft 365 Copilot Chatの「エージェント」などで
「事前に指示内容を登録して毎回同じように回答してくれる」機能を使うことができます。
以下の記事では、Google Geminiの「Gem」の使い方を説明しておりますのでぜひご参照ください。

②Excelの関数やマクロ(複数の操作をまとめて必要に応じて呼び出せるようにする機能)をAIに作成してもらう
→毎回ワンクリックもしくはデータを更新するだけで、指定の形式でデータを作ることができるようになります。

2. 定型的なメール・文書作成

「お世話になっております」から始まる定型的な依頼メールや、前年度のものをコピペして日付だけ変えたような通知文。 これらはAIにキーワードをいくつか投げるだけで、数秒で完成します。 「文章をゼロから考える時間」は、今後大幅に短縮します。これも上記で紹介した「①プロンプト(指示)を事前に登録しておく」が非常に有効です。メールのルールを事前に登録しておくことでより精度の高いメール文面を作成することができます。

3. 日程調整

教員、関係部署、外部業者……。 全員の空き時間をカレンダーとにらめっこしながら探す作業。 これは高度なスキルではなく、単なるパズルです。AIが全員の予定をスキャンして最適な時間を提案してくれるようになります。現在どのようにスケジュールを管理しているかにもよりますが、自律的に動くAIエージェントなどを駆使すれば日程調整だけでなく、オンライン会議を設定し、関係者に会議のURLを送付するところまで自動化することも可能です。

AIにはできない「人間の仕事」とは?

ここまでAIが代替しやすいタスクをいくつか挙げてみましたが、やはり現状では全ての業務をAIが行うことは難しく、私たちにしかできない業務というのは多くあります。AIは今後さらに進化していくことが予想されますが、正解のない業務や、感情が伴う行動、また最終的な意思決定などは今後も人間の方が優位であると考えられます。そのため、私たち大学職員には以下のようなスキルがより今後求められるでしょう。

1. 教員と学生、部署間の「感情を含めた調整」

データ上の「日程」はAIが調整できますが、「感情」や「文脈」の調整は人間にしかできません。

  • 「この先生は今忙しいから、この案件は来週に持ち越した方が機嫌よく承認してくれそうだ」
  • 「学生課と教務課の対立を避けるために、事前に根回しをしておこう」

こうした、空気を読み、相手の顔色を伺いながら進める「調整力」こそが、AIには模倣できないスキルです。

2. 学内政治(ネゴシエーション)

大学という組織は、ある種閉鎖的な組織で特有のルールがあることも多く、論理的に正しいこと(AIが導き出す正解)が、必ずしも会議で通るとは限りません。

  • キーマンとなる教授への事前の説明
  • 反対派を納得させるための妥協案の提示

この正解に近づけるための「合意形成」プロセスこそ、事務職員の腕の見せ所になります。

3. 「何をするか」を決める意思決定

AIは「頼まれたこと」を実行するのは得意ですが、現時点では「何が問題で、何をすべきか」を自ら企画するのは苦手です。

  • 「今年のオープンキャンパスは、オンラインと対面のハイブリッドにするべきか?」
  • 「学生の満足度を上げるために、どのシステムを導入すべきか?」

最終的な「責任」を伴う意思決定(GOサイン)は、人間にしかできません。

AIとどう向き合うべきか

AIへの恐怖を払拭するために必要なのは、考え方の転換です。

「AIはあなたの仕事を奪うライバルではなく、あなたが使いこなすべき『最強の部下』である」

こう考えてみてください。 あなたは「大学事務」という業務の監督です。 面倒な下準備、データ整理、たたき台の作成は、すべて部下(AI)にやらせればいいのです。

あなたは上がってきた成果物をチェックし、微調整し、関係各所に「調整」して「決定」するだけ。 これまでの「作業者」から「監督者」へとポジションを変えることが、これからの生存戦略です。

少子化の影響で一部のトップ大学を除いた多くの大学は学生数が減っていき、それに伴い職員数は減少していく可能性が非常に高いです。時間だけがかかる単純な作業は今から少しずつAIにシフトしていきましょう。

明日からできるアクション:「AI係」に立候補しよう

文系職員がいきなりプログラミングを覚える必要はありません。(残念ながら私もできません)

なので、今すぐできる最も効果的なアクションはこれです。

「部署内で一番、AIツールを触っている人になる」

大学という組織は、変化が遅い場所です。 だからこそ、今のうちにChatGPTやGeminiなどのAIを少し触って、「議事録の要約、AIにやらせてみましょうか?」「メールの文案、AIに出させてみました」と言えるだけで、あなたは「AIに詳しい貴重な人材」になれます。

まとめ

  • やめる仕事: 入力、コピペ作成、日程調整
  • 伸ばす仕事: 調整、根回し、意思決定
  • アクション: AIを「部下」として使い倒す

AIを恐れず、むしろ面倒な仕事を押し付ける相手として活用していきましょう。 そうすれば、あなたの大学職員としてのキャリアは、よりクリエイティブで、代替不可能なものになるはずです。

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この記事を書いた人

20代後半・二児の父。文系の4年生大学を卒業後、民間企業を経て、都内の総合大学で事務職員として勤務中。AIを使用した業務効率化や実生活での活用について発信。事務職員(非エンジニア)目線で誰にでも再現できる活用法の発信を心がけていきます。

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