データサイエンス学部は文理融合型と説明されることが多く、文系の受験生も選択肢にできます。ただし、「文系でも受験できる」と「数学を使わずに受験できる」は同じではありません。
2027年度入試では、大学入学共通テストの「数学Ⅰ・A」「数学Ⅱ・B・C」や「情報Ⅰ」を必須にする大学がある一方、数学の出題範囲を抑えた方式や、国語・情報を選択できる方式もあります。
この記事では、2027年度の大学公式情報をもとに、滋賀大学、横浜市立大学、順天堂大学の例を比較します。大学名の一覧ではなく、募集要項のどこを見れば自分に合う入試方式を判断できるかを整理します。
結論|文系でも受験できるが、数学の確認は欠かせない
文系の受験生でもデータサイエンス学部を受験できます。ただし、一般選抜では数学を必須にしている大学が少なくありません。
- 数学Ⅰ・Aだけでなく、数学Ⅱ・B・Cまで必要か
- 数学Ⅲを含む問題が必須か、選択できるか
- 共通テストで「情報Ⅰ」が必須か、選択科目か
- 個別試験で数学を受ける必要があるか
- 数学の配点が合計点の中でどれくらい大きいか
学部名だけで「文系向け」「理系向け」と決めず、志望大学の入学者選抜要項と学生募集要項を確認する必要があります。
2027年度入試の3大学比較
| 大学・学部 | 確認した方式 | 数学・情報の主な扱い | 文系受験生が見る点 |
|---|---|---|---|
| 滋賀大学 データサイエンス学部 | 一般選抜・前期 | 共通テストで数学と情報を使用。個別試験は数学・英語 | 数学Ⅲを含む範囲は、その他の範囲だけで解ける問題との選択 |
| 横浜市立大学 データサイエンス学部 | 一般選抜・前期 | 共通テストで数学Ⅰ・A、数学Ⅱ・B・C、情報Ⅰが必須。個別試験は数学・英語 | 個別数学は、数学Ⅲを含まない必須問題と、数学Ⅲを含み得る選択問題がある |
| 順天堂大学 健康データサイエンス学部 | 一般選抜A・B、共通テスト利用 | 一般選抜では数学が必須。共通テスト利用3科目型では数学Ⅰ・Aが必須で、数学Ⅱ・B・Cや情報Ⅰなどから選択できる | 方式によって数学の範囲・配点・選択科目が異なる |
同じデータサイエンス系学部でも、必要な数学の範囲と配点は異なります。以下では、各大学の公式情報をもう少し詳しく確認します。
滋賀大学|数学Ⅲを含まない問題を選べる
滋賀大学の2027年度データサイエンス学部前期日程では、大学入学共通テスト1,000点と個別学力検査600点で判定します。
- 共通テスト:数学200点、情報100点
- 個別試験:数学300点、英語300点
個別試験の数学は、数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B・Cが出題範囲です。ただし、数学Ⅲと数学Cの「平面上の曲線と複素数平面」を含む範囲、数学Bの「統計的な推測」を含む範囲は、その他の範囲だけで構成される問題との選択になっています。
出題範囲に数学Ⅲと書かれているだけで判断せず、必須問題なのか選択問題なのかまで確認することが重要です。
横浜市立大学|数学と情報Ⅰの配点が大きい
横浜市立大学の2027年度データサイエンス学部前期日程では、共通テストで数学Ⅰ・A、数学Ⅱ・B・C、情報Ⅰが必須です。個別学力検査では数学と英語を受験します。
- 共通テスト:数学200点、情報200点
- 個別試験:数学300点、英語200点
個別数学は、数学Ⅰ・Ⅱ・A・B・Cから出る必須2題に加えて、3題から1題を選びます。選択問題の範囲には数学Ⅲも含まれます。数学と情報を合わせた配点が大きいため、文系・理系という区分よりも、必要範囲への対応力で判断した方がよい入試です。
順天堂大学|方式によって必要な数学が変わる
順天堂大学の2027年度健康データサイエンス学部入試には、一般選抜A日程・B日程と共通テスト利用選抜があります。
一般選抜A・B日程では数学が必須で、出題範囲は数学Ⅰ・Ⅱ・A、数学Bの数列、数学Cのベクトルです。A日程には3教科均等配点型と数学重視型があり、数学重視型では数学の得点を2倍にして判定します。
共通テスト利用3科目判定型では、英語と数学Ⅰ・Aが必須です。残る1科目は、数学Ⅱ・B・C、理科、国語、情報Ⅰから高得点の科目が採用されます。4科目判定型では英語、数学Ⅰ・A、数学Ⅱ・B・Cが必須となり、理科、国語、情報Ⅰから1科目を選びます。
同じ学部でも、入試方式を変えると必要科目と配点が変わります。「大学名+学部名」だけで検索を終えず、方式ごとに比較する必要があります。
文系の受験生が募集要項で確認する5項目
1.数学は必須か選択か
最初に、共通テストと個別試験を分けて確認します。共通テスト利用方式でも、数学Ⅰ・Aだけが必須の方式と、数学Ⅱ・B・Cまで必須の方式があります。
2.数学Ⅲが必須か
出題範囲に数学Ⅲが含まれていても、選択問題で回避できる場合があります。科目名だけでなく、必須問題と選択問題の分け方まで読みます。
3.情報Ⅰが必須か選択か
データサイエンス系学部でも、情報Ⅰの扱いは一律ではありません。必須、選択、高得点科目として採用のいずれに当たるかを確認します。
4.配点はどの科目に偏っているか
同じ必須科目でも、100点と300点では入試全体への影響が違います。数学が苦手かどうかだけでなく、合計点に占める割合を見て受験方式を選びます。
5.入学後の数学・プログラミング科目
数学の負担が比較的小さい方式で合格できても、入学後は統計学、線形代数、微積分、プログラミングなどを学びます。初年次教育、補習、少人数演習が用意されているかも大学公式のカリキュラムで確認しておきましょう。
「文系でも受けられる大学」を探す手順
- 大学公式サイトから最新年度の入学者選抜要項を開く
- 学部名と入試方式を特定する
- 共通テストと個別試験を分けて必須科目を確認する
- 数学の出題範囲、選択条件、配点を確認する
- 学生募集要項が公開されたら、出願条件と日程を再確認する
比較サイトは候補を探す入口として便利ですが、科目や配点は変更されることがあります。出願時の判断には必ず大学公式の最新資料を使ってください。
よくある質問
データサイエンス学部は文系でも受験できますか?
受験できます。ただし、一般選抜で数学を必須とする大学があります。数学Ⅰ・Aだけでよいのか、数学Ⅱ・B・Cや数学Ⅲまで必要なのかを方式別に確認してください。
数学Ⅲを履修していないと受験できませんか?
大学と入試方式によります。数学Ⅲを出題範囲に含める大学でも、数学Ⅲを含まない問題を選択できる場合があります。最新の募集要項で必須・選択の条件を確認しましょう。
情報Ⅰだけで受験できるデータサイエンス学部はありますか?
情報Ⅰを選択できる方式はありますが、英語や数学など他科目との組み合わせが一般的です。「情報Ⅰが使える」ことと「情報Ⅰだけで受験できる」ことを区別して確認してください。
入試で数学の負担が小さければ、入学後も数学は少ないですか?
必ずしもそうではありません。データサイエンスでは、統計学や線形代数などの数学を使います。入試科目に加えて、1・2年次の必修科目や数学の学習支援も確認してください。
まとめ|学部名ではなく入試方式まで比較する
文系の受験生にもデータサイエンス学部への進路はあります。ただし、数学・情報Ⅰの扱いは大学だけでなく入試方式によっても異なります。
- 数学Ⅰ・A、数学Ⅱ・B・C、数学Ⅲのどこまで必要か
- 情報Ⅰは必須か選択か
- 数学の配点がどれくらい大きいか
- 入学後にどの数学・プログラミング科目を学ぶか
この4点を公式資料で確認すると、自分の履修状況と学びたい内容に合う大学を絞り込みやすくなります。AI・データサイエンスを学べる大学全体を探したい場合は、AIを学べる大学・学部の主要15校と選び方もあわせて確認してください。
※この記事は2026年10月16日時点で確認できる2027年度入試情報をもとにしています。出願前には各大学が公開する最新の学生募集要項を必ず確認してください。
